2011年3月11日東日本大震災の日、私の息子も帰宅困難になりました。
地震後、「今日はもう帰っていいよ!」と職場が親切心で言ったつもりが、電車は止まり、地上は混雑。ホテルも空いていない。自転車も売り切れ。息子からの連絡後、それ以降は電話が繋がりませんでした。
職場の親切が、結局、息子はただただ都心の危険な街に放り出されただけでした。
そして待つこと深夜12時。ようやく連絡が取れました。聞けば、どうにもこうにもならないので駅のホームでずっと待機していたそうです。すると、ちょっとだけ自宅寄りに電車が動いたそうです。
「駅前のファミレスにいるから」と言ったら後はまた電話が切れ・・。何度かけ直しても繋がりません。一先ず居場所はわかったので車を飛ばして迎えに行きました。しかし、半ばからほぼ車は動きません。大渋滞です。車の横を歩く人がいます。よく見ると、パンプスを持ってスリッパで歩いている女性。革靴を踏んで歩いている男性。疲れ切っている男性。駅に近付くほど徒歩の人が増えてきます。
「まさか?!歩いて帰るのか??」と悟ったとき、私が真っ先に思ったのは「この人たち、どこまで歩いて帰るつもりなんだろう」でした。しかも、夜中に体力を消耗した女性の一人歩きです。危険すぎます。男性だってどんな事件事故に巻き込まれるかわかりません。
「家に帰りたい気持ちは誰だって同じ」ですが、家族を思うならなおさら、職場に留まる、一時滞在施設などで待機するという行動をとってください。