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2019-05-16

危険!防災備蓄収納のまちがい

平成時代は自然災害が多くありました。令和時代はさらに大きな災害が懸念されています。今まで以上に本気で防災備蓄に取り掛からなければなりません。そんな中、人々の防災意識が高まり、防災備蓄の収納記事が増えてきたことも大変嬉しく思っております。

しかし、残念ながら「間違った記事」も多く、危険さえ感じております。

1)防災備蓄の目的

収納が得意な方、収納サービスを行っている方の記事は、見た目がとてもキレイで防災備蓄が収納されています。他の方の記事や、本や雑誌など、他者の情報を参考に収納をされている方もいらっしゃるようです。ご自宅の準備をされることは大変素晴らしいと思いますが、最大の目的である『災害時のための備蓄』に至れていない防災備蓄収納も見かけます。

 

そもそも、防災備蓄の目的は、災害時にすぐに使えることです。

つまり、防災備蓄収納は、災害時にすぐに使える状態になっていなければ意味がありません。

2)防災備蓄収納のまちがい

以下は、私が他の方の記事を読んで危険と感じた一部の例です。

【キケン1】奥行80cmの大きな蓋付き収納ケースに水2リットルのペットボトルをいっぱいに入れ、2段に重ねている。

注意1 1ケースに15本。合計30リットル=30kg。重ねた30kgの収納ケースが崩れ落ちた場合、大変危険である。

注意2 収納ケースが崩れ落ちた場合、ボトルが破損し、水が流れることも想定出来る。

【キケン2】スチールオープンシェルフの棚2段に水2リットルのペットボトルを縦に1本1本並べている。

注意1 オープンシェルフが壁に固定されていないため、棚が転倒する危険性がある。

注意2 水が全て崩れ落ちる可能性が大きい。1段18本=36kg。2段分で72kg。水の下敷きになれば大変危険である。

注意3 棚が倒れても、水が崩れ落ちても、ボトルが破損し、水が流れることが想定出来る。

【キケン3】オープン棚に、店の陳列棚のように飲料水も食品も1つ1つ並べている。もしくは、箱に入った状態で目線の高さにも置いてある。

注意 崩れ落ちる可能性が大きい。

【キケン4】飲料水も食品も箱ごと何段も積上げている。

注意 崩れ落ちる可能性が大きい。

【キケン5】上段(頭より上の高さ)にカセットガスコンロや飲料水が置かれている。

注意 頭上に落ちた場合、非常に危険である。

以上は一部です。

オープン棚に並べていれば確かにすぐに取り出せます。しかし、これらは「平常時の収納の仕方」であり、『災害時』の状況を想定されていないことがわかります。

せっかく防災備蓄をされていても、かえって被害を広げてしまう危険性があります。

3)オープン棚も収納庫内もさらに対策を

オープン棚はもちろんのこと、扉付きの収納庫でも、大きな揺れが発生した場合はモノや棚が崩れることが予想されます。「防災備蓄収納」は、災害時にすぐに使える状態にしていることです。

つまり、災害時を想定して、モノが崩れることがなく、探すこともなく、可能な限り危険回避を考えて収納されていることが大切です。そのためには収納庫内の対策も忘れてはなりません。

折戸収納の対策例はこちらから

平常時だけを考えれば「見せる収納」や「収納率の高い収納術」で良いのですが、災害時を考えた場合、それらの収納方法では、せっかく備えていたモノも使えなくなってしまったり、危険な環境に至ってしまうことがあります。

だれも安心安全な暮らしを望んでいます。正しい知識をもって得意な収納を活かしていただけることを願います。

 

代表 長柴美恵

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