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2020-05-10

避難所だけが避難先ではない!新型コロナウイルス感染症から持ち物を考える

2020年4月7日、新型コロナウイルス感染症対策として7都道府県に「緊急事態宣言」が発出され、5月4日にさらに5月31日までの延長が発表されました。地域によっては解除も検討されていますが、感染の可能性がなくなったわけではありません。

もし、このような状況下で大きな災害が起きたらどうすればよいのでしょうか?

自治体に頼るだけではなく、各自で考えてみましょう。

(1)避難所だけが避難先ではない

「避難」は、避難所へ行くことが目的ではなく、身の安全を確保することだということをしっかりと覚えておきましょう。万が一建物が危険な場合は安全な場所へ避難します。

●大きな揺れを生じる地震では、耐震強度が低い建物や損傷を受けた建物の場合は、その建物に留まらず避難が必要です。公園などの広い場所へ一先ず避難しましょう。

耐震対策がされている丈夫な建物の場合は、むやみに外に出るよりもその場に留まる方が安全な場合もあります。

●2019年の台風19号のような大きな風水害では、避難所が被災し、また別の場所へ避難をするということがありました。避難所が今居る場所よりも高さが低い場合もあります。丈夫な建物の垂直避難(上に上がる)や高台への避難が必要です。

●新型コロナウイルスのように感染症の感染拡大から医療提供体制がひっ迫している中で避難を要する災害が発生した場合、感染拡大防止が重大な課題です。避難所で3密を防ぐのは難しいとされ、これまでとは異なる避難所設営が求められます。

内閣府では親戚や友人の家等への避難やホテルや旅館等の活用等も検討に入れていますが、親戚や友人宅での感染も懸念されるところです。

すぐに避難所へ行くのではなく、自宅待機、車中待機、テント避難なども視野に入れて各自で考えておくことが大切です。

(2)避難所と避難場所のちがい

●指定緊急避難場所とは?

災害が発生し、又は発生のおそれがある場合にその危険から逃れるための避難場所。一般に公園や校庭などの広い場所を指す。

 

●指定避難所とは?

災害の危険性があり避難した住民等や、災害により家に戻れなくなった住民等を滞在させるための施設。学校の体育館などが多い。

 

右矢印資料1-3 1 「緊急避難場所」と「避難所」について (内閣府)

●避難所と避難場所は自治体によって異なります。

必ずお住まいの地域や職場所在地のハザードマップで確認をしておきましょう。

(3)避難する場合の持ち物

もし避難を要する場合、自治体を頼るだけではなく各自で感染防止対策や体調管理を行わなければなりません。『持ち出し袋』の中は一時的なモノが入っていると思いますが、加えて新型コロナウイルスの対策も考えたモノが必要です。

●持ち出し袋の中身は【82歳高齢女性の非常用持出し袋】をご参考ください。

感染症対策として最低限追加したいモノ

●体温計 ●さらにマスクを多めに ●解熱剤 ●冷却シート ●消毒液、ウエットテッシュ ●使い捨てグローブ ●殺菌作用の喉スプレー ●ゴム袋 ●ビニールシートなど、自分を守るだけではなく、自分が他社にうつさない対策も必要です。

 

避難を要する場合は避難所のライフラインが止まる可能性もあります。他に気付いたモノを追加しておきましょう。

(4)随時、情報の確認を

4月に比べると落ち着きを感じますが、まだまだ油断は出来ません。状況は地域によって異なりますので、随時情報を確認されてください。

 

5月ともなれば、熱中症対策も食中毒の注意も忘れてはなりません。

いま、本当に大変なときですが、電気も水も使えます。エアコンも冷蔵庫も使えます。入浴も洗濯も出来ます。

 

しかし、もしこの時に、大きな災害が起きたら?

 

忘れてならないのが自然災害です。同時に起きないことを願いますが、こればかりは人の手では止められません。だからと言って、住民が一斉に避難所に集まったら感染が拡大する危険性があります。これは人の手によってくい止めたいところです。可能な限り減災に繋げるために、一人一人がいま出来ることをしておきましょう。

 

避難所だけが避難先ではありません。ハザードマップは状況次第でどこへどのように避難すると良いのかを知る大切な情報源ですので必ず確認をしておいてください。

 

一人一人の備えが、最後は自分の命を守ることになります。「Afterコロナ」ではなく「withコロナ」とも言われています。私もそう考えます。しかし、まだ「特効薬」がないことを理解した行動が必要です。すでに仕事のあり方も暮らし方も見直され始めています。避難時の見直しは大変重要な課題になりました。

 

 

令和2年、私たちはこれまでに経験したことがない緊急事態です。

しかし、家もあり、ライフラインが止まらず、買い物も出来る環境は、大きな自然災害での被災よりも助かっていることが多いと思います。

だからこそ今のうちにはじめておきましょう。

 

そして何よりも、どうぞご安全にお過ごしください。

 

代表 長柴美恵

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