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2019-07-02

赤ちゃんの液体ミルクの保管は25℃

生後間もない赤ちゃんは授乳だけで生きています。100%母乳で育てているお母さん、ミルクで育てているお母さん、混合で育てているお母さんがいます。

しかし、もし大きな災害が起きて、ストレスで母乳が出なくなったら?新鮮なお湯が手に入らず粉ミルクを飲ませられなくなったら?哺乳瓶の消毒が出来なくなったら?

そこでいま、話題になっているのが「赤ちゃんの液体ミルク」。2018年8月に省令改正が行われ、今年国内でも製造、販売が開始となりました。 しかし、気になることもあります。

1)海外製品

東日本大震災では、海外から液体ミルクがあったようですが、液体ミルクになれていないため、知識もなく、説明書きも外国語。赤ちゃんなので試すことすらコワい。結局「禁止」という貼り紙をして飲ませなかったようです。

東日本から学び、熊本地震ではフィンランドからの援助物資として無償配布されたフィンランド製液体ミルクがたくさんの母子を救ったそうです。しかし、この容器なのでミルクだとわからず、「ジュース」と一緒に保管され、配布されなかったところもあったようです。

*東京都はフィンランド製品の液体ミルクを備蓄しています。

2)日本製品

●缶詰・レトルト製品/充てん後殺菌/賞味期限9~12ヶ月

●紙パック/殺菌後充てん/賞味期限6ヶ月

どちらの写真も、左カップが「meiji製品(缶)」・右カップが「グリコ(紙パック)」

色の濃さに問題はなく、味も変わりはないように感じました。

試飲の感想としてはどちらも味に変わりは感じませんでした。大人にとってこれくらいの少量はあくまでも「試飲」です。お腹を壊す心配もないでしょう。しかし、生後間もなく1回100cc程度しか飲まない赤ちゃんには重大な量だと感じます。また、生後すぐ~生後半年と、半年~1歳でも栄養量は異なります。生後半年までの赤ちゃんにはとくに慎重に考えてしまうというのが私の気持ちです。

3)保管温度

常温保管で、温めずにそのまま与えられるという便利さがあり、外出時にも便利な液体ミルクですが、風邪通りが良い冷暗所での常温保管が必要です。

 

では、何度が良いのでしょうか?

「常温(おおむね25℃以下)」で適切に保存すると言われています。

 

真夏の留守中の部屋は一体何度になっていることでしょう。

果たして自宅に冷暗所はあるのでしょうか?

真夏の昼間にエアコンをかけずに住まいの温度の調査するのも大変ですが、それくらいしないと安心して備蓄が出来ないのではないかと思います。

冷蔵保存も可能ですが、冷え過ぎますので温めてからの授乳が必要です。(購入の際は説明書を必ずご確認ください)

持ち歩きの場合、特に車内はエアコンを切ると高温になります。保冷パックに保冷剤を入れての持ち歩きが必要になると思います。

 

また、冷凍保存は出来ません。北海道、日本海側、東北のような豪雪地域は「凍る」ことがないよう注意が必要です。

 

上手に使えたら便利だと思います。しかし、便利だからというだけでなく、赤ちゃんが飲む物だからこそ保管環境を整えて慎重にご用意されることをおすすめします。

先日、私にも孫が誕生いたしました。

私自身は3人の子どもがいます。

母乳100%で哺乳瓶を受けずに最後まで離れなれなかった子、途中母乳の出が悪くなり、足りないのに哺乳瓶を受付ず数日親子で泣いた子、混合が上手に出来た子、三人三様でした。

母乳だと体一つで楽でしたが、母親はしっかり食事を取らなければならず、哺乳瓶は体が自由になりますが、哺乳瓶の消毒が必要です。ミルクを溶かすお湯も必要です。

 

どちらもそれぞれ便利さがありますが、災害時の問題も多くあります。

私は小さな子どもたちを抱えながら「自宅避難訓練」ということをよくやっていましたが、当時のわが家には「ミルク」という考えがありませんでした。いま思えば非常に危険なことだったと感じています。

 

赤ちゃんは授乳が出来なければ命が危険です。

私自身の経験からも、目の前にいる赤ちゃんをみつめながらも、子どもを守れるのは大人しかいないと強く感じています。自治体調査での特殊食品備蓄率として、「乳児粉ミルク」でさえ、わずか20~30%程度です。この事実を知った上で、わが子の分はわが家で何らかの対策を用意されておくことを強くおすすめいたします。

決して1人で悩まずに、不安なときは専門家にご相談されることもおすすめいたします。

 

代表 長柴美恵

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